「君たちはどう生きるか」を読んで

Shanpinです。

年末年始にゴロゴロしていたせいで、夜更かしばかりしていて生活リズムがおかしくなっているので、そろそろ真面目な生活に戻したいと思っています。

 

今回は、「君たちはどう生きるか吉野源三郎著の感想になります。

読み始めたきっかけは、昨年宮崎駿の映画「君たちはどう生きるか」を観て、そこに登場するこの本の中身が気になったことです。映画でも、この本を読んだことが主人公にとって大きなターニングポイントになるような描かれ方をされていました。

 

元々1937年に書かれたかなり古い本ですが、私が読んだ文庫本はその後現代風に修正されたものだったので、特に日本語的な読みづらさはなく、スラスラと読めました。中身としては、中学2年生の主人公コペル君の日常をコペル君の視点でなぞりつつ、たまにコペル君が叔父さんとの手紙のやり取りをして色んな事を学んでいくといった内容です。学校内でのいじめや貧富の格差など、社会との関わりや善悪が主題な中、後半のコペル君の行動に、心に刺さる部分がありました。

あとがきを見たところ、戦時中の少年少女の道徳教育を意図して刊行されたようで、叔父さんの手紙は少々説教臭いところがあるのですが、苦手な人はその部分だけで読み飛ばしても読む価値があると思います。

 

※ここからネタバレなので、読んでない方は注意ください。

北見君が上級生から暴力を受けた時、コペル君が約束通り庇おうとしなかったことに、読んでいく中で、衝撃を受けました。読んでいる側でも何故か裏切られた気分になりました。僕は勝手にコペル君のことを勇敢で正義感の強い、立派な人間だと思い込んでいたようです。その後のコペル君の罪悪感の凄まじさには、とても痛ましい思いで読み進めていました。取り返しがつかないことに対して、言い訳がしたくなる気持ちはとてもよくわかります。気があって自分の正義を貫ける北見君との対比で、臆病で、正しいと思っても動けないコペル君の姿が一層際立っていました。それでも、罪悪感と向き合い、勇気を出して北見君に謝罪したことには、コペル君の成長を感じさせられました。

 

自分を振り返って、中学時代には、彼らのような正義感を持っていたのだろうかと、ふと疑問に思いました。友達の悪口を言われたときにも、笑って済ませてしまうような、臆病で弱い自分だったなぁと思い出したり、それでも中学生なりにクラスで寂しい思いをする人がいないように色んな人に声を掛けたりしたような記憶もあります。

また、社会人になってから、失敗することが増えて、北見君のようにまっすぐに生きるのは難しいと強く感じるようになりました。なので、叔父さんの言うように、「過ちを重ねてはいけない。」「勇気を出して、今自分のすべきことをする。」こう言った言葉がとても刺さりました。

自分も「人を大切にする」、「自分の過ちを素直に認める」そんな生き方をしていきたいと思います。

 

以上。